洗剤OEMメーカーの乗り換えにおいて、最けるべき事態が欠品による販売機会の喪失です。新メーカーへの移行には想定以上の時間がかかることが多く、計画が甘いと市場の在庫が底をついてしまいます。
こちらでは、OEM乗り換え時に発生する見えないリードタイムと、欠品を防ぐためのスケジュール策定、および在庫調整の具体的な方法について解説します。
新しいOEM会社へ製造を切り替える際、「既存製品と同じ処方であれば、すぐに作れるはずだ」と考えるのは危険です。中身を一から開発し直す場合はもちろん、既存製品の仕様を引き継ぐ場合であっても、新たな原料調達ルートの確立や新しい容器との相性(相溶性)テストなどが発生します。
試作のやり直し、思いがけない原料の納品遅延、品質検査での微調整など、予期せぬ遅れが生じやすい工程は複数存在します。表面的な製造期間だけでなく、これらの見えないリードタイムを事前に想定しておくことがプロジェクト成功の鍵を握ります。
スケジュールの策定では、ボトルネックとなりやすい安定性試験と資材手配の期間から逆算して動くのが鉄則です。洗剤の品質を担保するためには、過酷な温度環境下での分離や変色、香りの劣化などを確認する安定性試験が欠かせず、これに通常3〜6ヶ月程度を要します。
さらに、オリジナルのボトルや詰め替えパウチといった包材の製造・印刷にも、版下作成や色校正を含めて2〜3ヶ月かかるのが一般的です。
処方開発から初回の納品まで、トータルで半年から長くて1年近いリードタイムが必要になるケースも珍しくありません。この期間を見誤ると希望する販売開始日に間に合わないため、余裕を持ったスケジューリングが不可欠となります。
乗り換えが決定した直後に、旧メーカーとの契約を早々に打ち切るのは非常にリスクが高い選択です。新メーカーでの試作が難航したり、資材の納品が遅延した場合に逃げ道がなくなり、致命的な欠品を引き起こす可能性があります。
リスクを最小限に抑えるには、新メーカーでの初回製造が無事に完了し、市場に出せる品質であることが確認できるまで、旧メーカーでの製造も継続する並行稼働期間を設けることが望ましいです。
並行稼働を前提とした在庫調整においては、まず自社の月間の平均販売数と安全在庫を正確に把握することから始めます。現在庫が販売日数を下回ってから慌てて発注しても間に合いません。
在庫数を計算する際は、新メーカーでの立ち上げにかかるリードタイムへ、万が一の遅延に備えたバッファを加えた期間分を旧メーカー側で確保しておくのが理想的です。たとえば、立ち上げに8ヶ月かかる見込みであれば、さらに2ヶ月分の余裕を持たせ、計10ヶ月分の在庫を準備しておくと安心できます。
旧メーカーとの関係を良好に保ちつつ、「いつ、どの程度の量で最後の発注を行うか」を計画的にすり合わせておくことで、トラブルのないスムーズな移行が実現します。
洗剤OEMの乗り換えは、単なる委託先の変更にとどまりません。スケジュール管理の徹底と在庫リスクの排除を確実に行うことで、新しいパートナーが持つ最新の処方技術や原料ネットワークを最大限に引き出し、製品をより魅力的に進化させる絶好の機会となります。
乗り換えを成功させるには、実現したい製品のコンセプトや自社の要望(小ロット対応、ナチュラル成分へのこだわり、コスト削減など)に強みを持つメーカーを選ぶことが重要です。
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